2008年12月16日火曜日

『レッテルなんか張るな!』


 今は、「発達障害」とか「多動性」とか「注意欠陥」とか言って、子どもを観察して判断したり診断する時代なのですね。何でも《ある枠》の中に入れ込もうとする傾向があるのでしょうか。小学校の「通信簿」の「行動と生活の記録」欄に、どの学年、どの学期、どの担任も決まって、『落ち着きがありません。授業中に立ち歩いています。』と書いてありました。よっぽどだったのですね。家に帰って親に見せたのですが、怒られたり注意されたことはありませんでした。『いつか直るだろう!』、『何でもいいから、生きててくれたらそれでいいんだ!』とでも、楽観視してくれたに違いありません。そんな両親に感謝を、いまさらながら覚えるのですが。


 

 それで、『おっちょこちょい!』と、よく言われました。漢字で、「注意欠陥」、「多動性」と書かれるより、平仮名で「おっちょこちょい」と書かれるのでは、どうも雲泥の差があるのではないでしょうか。漢字の冷たさと、平仮名の暖かさとの差、メスを手にする医者と母親の優しさの差です。よく廊下に立たされ、たまに校長室にも立たされた過去のある私は、立たされながら、反省の色を見せませんでした。次のいたずらを考えていたのです。一緒に立たされた長島君は、今どうしているでしょうか。「オランダ屋敷」の住民だったのですが。当時、『♭・・・・オランダ屋敷に雨が降る・・・♯』という歌がはやっていて、雨漏りのするおんぼろ長屋に住んでいて、カサがなくて雨降りには学校に来ませんでした。『ガンジー!』と仇名されていましたが。一緒に立っていた水野君は、どうしてるでしょうか。立っていたら、途中で家に帰ってしまったので、カバンを届けたことがありました。旧国鉄の官舎に住んでいて、近所でしたが。みんな、「おっちょこちょい」でした。


 

 今でしたら、三人ともローマ字で「ADHD」と呼ばれたり、記入されるのでしょうか。チンプンカンプンですが。日本語に訳しますと、「注意欠陥・多動性障害 」になるそうです。つまり「欠陥人間」で、目障りの「障」と、害毒の「害」の「障害」です。昔、秋の運動化に「障害物競走」というのがありました。人気のある、声援を大いに誘う競技でしたが。あのころは、「障害」の「害」の字は、「碍」と書かれていたと思います。「障碍」は、「害毒」ではなく、「邪魔物」、「さえぎる物」という意味なのです。「碍」の漢字を、「害」に変えた時点で、大きな人間観・児童観・障碍者観のマイナス変化があったことになります。邪魔になったり、世の中の流れをさえぎることはあっても、「害する」ことはなかったのです。我ら三人は、いい子たちの邪魔にはなっていたのは事実です。でも結構、クラスはわれわれの存在で変化があって、楽しかったのではないでしょうか。馬鹿なことを平気でしていたからです。もちろん推薦はできませんが。


 

 最近は、「児童精神科」があって、「児童精神科医」がいるのですね。違う両親に今日日、育てられていたら、そこに連れて行かれて、薬を飲まされて、痛い注射をされるのでしょうか。発明王のエジソンも幕末の志士の坂本竜馬も、われわれの仲間だという人もいます。彼らも注射!?

 「好意」と「情愛」と「助成」を必要としている彼らに、いえ過去の私たち三人とエジソンと竜馬に、『レッテルなんか張るな!』と、再び大声で叫びたい、年の瀬であります!

(写真は、「ADHDの子どものイラスト・

Help With Autism

」、「木造校舎(廃校)の廊下・

Digital Artworks TeeART Blog.

」、「番傘(蛇の目)・http://www.kyotodays.jp/pc/images/ks2_header_menu_logo01.png」、「ADHDの本」です)

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自己紹介

 次男に勧められて始めた「ブログ」ですが、2007年7月から1年間休刊しました。その間、他の「ブログ」を開設したのですが、2008年7月に、名前を変えて再開しました。  父として子どもたちに、爺として孫たちに、また母や兄弟や友人たちにも、何かを語り残したいと願って、続けています。