2007年5月26日土曜日

「万里の長城」


 現代の科学技術の進歩は、宇宙衛星に搭載したカメラが、地表を鮮明に撮影した映像を、宇宙空間から送ってくることが出来るようになっています。「Google Earth」というサイトがインターネットにあります。時々、子どもたちの生活圏の辺りを眺めては、『元気に暮らしているのかな!』と感謝することが出来ますし、生まれた村や、住んだことのある町や村を見ては、思い出に浸ることもあります。

 間宮林蔵が12年の才月をかけて徒歩で日本中を歩いて、「日本全図」を作成したのですが、その絵図が、どれだけ正確であったかを、この衛星写真が立証してくれたわけです。聞くところによりますと、自動車のナンバー・プレートでさえも読み取ることも出来るほどの精密さを持っていると言われていますから、親爺の財布からくすねたお金を、埋めたあの場所さえも見つけ出されてしまうことになります。うかうかしてはいられない時代になったものです。

 平和のために利用されるなら素晴らしいのですが、軍事目的のために使われたり、犯罪のために用いられますと、個人の秘匿権を侵されることにもなりかねないわけで、これまた、うかうかしてはいられないことになります。

 10年ほど前に中国を訪ねました時に、一日観光がありまして、北京の「万里の長城」に行ったことがあります。衛星が映し出す世界遺産の1つであります。険しい階段を上って、兵士たちが歩いた長城の上を、私も歩いてみたのですが、息切れがするほどでした。そこを歩みながら、現代の土木建築家が、正当な賃金を払って作ったとしたら、どれほどの人件費を負担しなければならないだろうかと思ったりしてみたのですが。1時間1000円の日給として、1日8時間、人数と日数を計算し日数をかけてみますと、天文学的な数字の人件費になるのに驚かされたのです。資産家のビル・ゲイツでさえも無理で、あの始皇帝にしか出来なかった事業だったことになります。

 さて私は、自分の「心の城壁」のことを、このところ考えさせられるのです。目や耳に、はしごをかかけては、「魂の敵」が隙を狙って入り込んできますし、また様々にして負った傷が心にあって、そこを足がかりにして、様々な誘惑者が、心の城壁をよじ登ってくるのです。石や鉄で、高くて堅固な城壁を築き上げたり、兵隊を雇って寝ずの番をしてもらっても、優秀な弾頭ミサイルを買い入れてもだめです。
 
 必要なのは、「高い志」や「高尚な心」、罪や汚れを憎む「決意」が、心の防備のためにはどうしても必要に違いないのです。そのためには、過去の心の傷が修復されることです。治った傷跡が、足がかりにならないように、無くなる必要があります。

 私の親爺の日記帳に、「求你叫我转眼不看虚假,又叫我在你的道中生活。」とありました。「むなしいものを見ないように私の目をそらせ、あなたの道に私を生かしてください。」、そう自分で決断し、願い求めること、これこそが心の防衛の秘訣に違いありません。
(写真は、中国政府刊行の「えはがき」です)

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自己紹介

 次男に勧められて始めた「ブログ」ですが、2007年7月から1年間休刊しました。その間、他の「ブログ」を開設したのですが、2008年7月に、名前を変えて再開しました。  父として子どもたちに、爺として孫たちに、また母や兄弟や友人たちにも、何かを語り残したいと願って、続けています。