霞浦
「潮騒」は、潮が満ちて、波が寄せて来るときにたてる音のことですが、片瀬江ノ島の西海岸や湯河原の吉浜海岸や九十九里海岸で聞いた、その音が、とても懐かしく思い出されてまいります。この潮騒は、オレゴンのコーストでも、ここ福建省の長楽の海岸でも、日本語の波の音も、英語や中国語の波音も無く、同じ音であることに気付くのです。当然ですよね。
福建省の北、浙江省(ZheJiangShen)に接したところに、「霞浦(XiaPu)」と言う町があります。最近、この「霞浦」の海岸線を写した数葉の写真を見たのですが、その美しさに魅せられてしまったのです。残念ながら静止画像ですので、潮騒を聴くことができないのですが、「波頭の煌めき」と言うのでしょうか、波頭に夕日や朝日が当たって、まるで音を立てながらキラキラしているように、目に飛び込んでくるのです。こんな美しい海岸線の写真を、これまで見たことが無いからです。とっさに、『行って観てみたい!』と思わされました。そして、この春節にシンガポールに行きましたときに、次男からもらったデジタルカメラがありますので、それを持って行って、日の出から日没まで、月があったら月明かりの下でも、写真を撮ってみたいと思わされてしまったのです。
去年の春、一台のマイクロバスを借りて、30人ほどの親しい仲間に加えてもらって、福州の隣町・長楽に出かけました。そのとき、海岸まで足を伸ばして、波遊びをしたのです。そこの海岸線は、山が迫っていて、すぐに海岸のような日本のようなものではなく、とてつもなく広がっていて果てが無いといった感じでした。『813路のバスに乗って白湖亭に行き、そこから江田镇行きか下沙村行きのバスに乗ったら行けますよ!』と教えてもらったのですが、まだ行く機会を得ていません。ところが、今度は、「霞浦」の景色に見せられてしまったわけです。写真で見た限りですが、「霞浦」のほうが、さらに広大で変化に富んでいるように思われるのです。
きっと車があったら、飛び出してしまっていることでしょうね。山奥で35年ほど過ごしておりましたときに、『海が見たい、このまま静岡か新潟まで行ってみたらいい!』と誘惑に駆られることしばしばだったのを思い出すのですが。なんだか、そんな気分の三月の半ばであります。何時行けるでしょうか。
(写真は、福建省寧徳市の「霞浦」です)
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