2009年3月2日月曜日

『これ(東海道新幹線)こそわれわれが求めている速さだ!』



 12年ほど前になりますが、広東省の省都・広州を観光で訪ねたことがありました。街中に活気が溢れていて、道路が掘り起こされ、ビル工事が街中で進められていました。そして町の中心に、大きなポスターでしょうか、巨大な看板が掲出されていました。それは第五代の総書記をされた、邓小平(Deng Xiao ping)氏の大きなと顔写真だったのです。召されてもなお、中国国民に絶大な人気があることがうかがえ、それに応えた微笑みがこぼれていました。




 1978年10月に、中日友好条約の締結を記念して、中国の指導者としてはじめて日本を訪問されたのが、この邓小平氏でした。彼が始めた「改革開放政策」によって、中国の国力は驚異的に増強しており、その政策に一石を投じたのが、このときの日本訪問だったようです。敗戦国日本が、わずか7年余りで経済水準を戦前の最高水準にまで回復させ、わずか25年で世界第2位の経済大国となった様を見て、邓氏は賞賛を惜しまなかったようです。新幹線で京都訪問をしたときには、その速さに驚嘆されたのです。その訪問について、『私が今回日本に来たのは、日本に教えを請うため・・・科学技術の発展における日本の進んだ経験を持ち帰りたい!』と語られたのです。かつての敵国に学ぼうとされた寛大さや謙遜さには、感謝を覚えさせられてなりません。




 昨年秋、改革開放30周年記念の「京劇公演」が福州の「鳳凰劇場」の舞台で行われていました。『今回の訪日で現代化とは何かがわかった!』と言われた邓氏の現代化政策の現れでもある中国の伝統芸能の鑑賞会にお招きいただいたのです。日本の戦後復興のためにアメリカの後押しがあったように、中国の復興と発展のために、日本が協力できたことを思い返して、初めての京劇に感動を受け、広州の街中で見上げた邓氏の笑顔を思い出していた私に、晩秋の福州の月が微笑んでくれたように感じた宵でした。

(写真は、子ども〈孫?〉と談笑している「邓小平総主席)、HP《新幹線 無料壁紙》 の「東海道新幹線」、鳳凰劇場で昨年末上演された「京劇」の一コマです)

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自己紹介

 次男に勧められて始めた「ブログ」ですが、2007年7月から1年間休刊しました。その間、他の「ブログ」を開設したのですが、2008年7月に、名前を変えて再開しました。  父として子どもたちに、爺として孫たちに、また母や兄弟や友人たちにも、何かを語り残したいと願って、続けています。