2009年3月8日日曜日

洗濯物


         とぼとぼと犬の歩みや梅雨の入り  木津克司

 『春が来た!』と思って喜んだのですが、束の間の喜びで、『おー寒い!』と昨日は、ついつぶやいてしまいました。寒いときは《覚悟の寒さ》で、寒さを受け入れられるのですが、『わーっ暖かい!』と感じた矢先の《油断の寒さ》は、期待外れで厳しさを感じてしまいます。『洗濯物が乾かないの!』と、家内が窓から空を見上げて言っていました。結局、部屋の中に紐を張って、そこに洗濯物を干して、ストーブをつけて、扇風機を廻して、一室を「乾燥室」にしているこのごろです。

 私のアメリカ人の師は、日本に長く住んで、日本で亡くなり、日本に埋葬された親日家でした。この方と一緒に七年間の交わりをしたのですが、日本家屋に住んでいて、『僕と弟の遊び部屋は、この家よりも大きかったよ!』と言っていたことがありました。アメリカの南部の豊かな家庭で育った彼が、日本での生活の不満を語ったのではないのです。正直で率直な印象でした。その彼が我が家にやって来て、部屋の中に干してある、子どもたちの洗濯物を見上げて、『これってアメリカの家庭では見られない光景・・・貧乏の象徴なんです・・・・』と、つい口を滑らせていました。悪意は無かったのです。日本の住宅事情、4人の子供という家族事情、梅雨といった気候事情、そして当時の経済事情、そういったことを考えますと、我が家としては仕方の無いことでした。

 華南地方の雨季、日本に住んだ経験のある友人たちは、「梅雨」だと言われるのですが。弥生三月の日本は、一雨一雨暖かくなって行くのですが、ここ福州の雨の三月は、冬を思わせる日が続いております。『今月いっぱいは、こんな状況でしょうね!』と友人が言っていました。それでも晴れる日は、夏を感じささてくれますから、それを楽しみに、日本で感じた「梅雨」とは趣の違う、福州の梅雨を感謝しないといけないのでしょうね。この雨が、田畑を豊かに実らせるのですから。

(写真は、HP《トレッカ通信ブログ》の「梅雨空」です)

1 件のコメント:

goooooood girl さんのコメント...

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自己紹介

 次男に勧められて始めた「ブログ」ですが、2007年7月から1年間休刊しました。その間、他の「ブログ」を開設したのですが、2008年7月に、名前を変えて再開しました。  父として子どもたちに、爺として孫たちに、また母や兄弟や友人たちにも、何かを語り残したいと願って、続けています。