2009年1月2日金曜日

雑煮とケーキ・・・友の味!



  暮に、白と黄色のマーガレットと紫色の花を開かせる蕾のような花(名前が難しくて覚えられないのですが)と霞草が、花瓶に生けられて、テーブルの上に置かれました。大陸での三回目の正月を迎えて、花のある部屋の風情は、とても心を落ち着かせてくれます。その花をめでながら、家内の妹の送ってくれた餅を焼いて、海苔を巻き、黄な粉をまぶして、今、食べたところです。こちらでは、米の粉で作られた「年糕nian gao」と呼ばれているものを食べるのですが、どうも物足りません。どうしても「もち米」でついた餅が、正月には似合っていて、平安時代に起源があるようですが、やはり日本の味覚なわけです。




 昨日の元旦に、沖縄、石川、埼玉、神戸からやって来て中国を学びながら、大学や専門学校の教壇に立って、日本語を教えておられる方たちを我が家にお招きして、「雑煮会」をもちました。家内が腕を振るう予定でしたが、少々風邪気味でしたので、急遽、私が作ることにしたのです。9時過ぎ、近所に、市内でチェーン店を展開している「永輝超市」という名のスーパー・マーケットがあって、そこに買出しに行ってきました。本来なら、「関東風」の鶏肉と小松菜と三つ葉でしょうゆ味のあっさりした「お雑煮」を作りたかったのです。父が横須賀の出身ですから、山陰・出雲の出身の母は、父好みの雑煮を、何十年と作り続けてきましたから、その味に慣れ親しんできた私は、真似て作ることが出来るのです。ところが、こちらでは小松菜も三つ葉も売っていないのです。それで、「すき焼き風」というのでしょうか、「吉野屋風」と言うのでしょうか、初めて味の濃い雑煮を作ってみたのです。醤油と砂糖と老酒と鳥のだし作りのだし汁に、牛肉、鶏肉、長ネギ、筍、にんじん、しいたけ、エリンギ、白菜、緑豆のもやしを入れて作ってみました。われながら、自画自賛になりますが、結構美味しく出来たようです。みなさん、故国を離れて久しいので、日本料理が懐かしかったのでしょうか、美味しそうに食べてくれました。




 持参してくださった果物を食べながら、交わりの一時を持って、3時間近くまでいて帰って行かれました。私たちの子どもも、留学経験がありますから、異国の地での日本料理は、ことのほか郷愁を誘うものなのでしょうか。一世代前に学んだ彼らのことを思い出しながら、この留学生たちを励ましたかったわけです。第一陣が帰ったのと入れ替わりに、もう一陣がやって来られました。お菓子のセットや大きなケーキを持参してくれました。小学生2人と大人7人の友人たちでした。6時ごろまでいらっしゃったでしょうか、日本語と中国語を駆使しながら、よい交わりのときでした。『日本風に、新年のご挨拶にうかがいたいのですが!』と年末に連絡があっての来訪でした。こちらに来る前は、こういった友人たちの交わりなど予想もしませんでした。家内と二人で、ひっそりと生活するのだとばかり思っていましたから、賑々しく元旦を迎えられるのは実に感謝なことであります。これって、日中友好の一環ですよね。




 大きな大陸の片隅で、住む家があり、着る物が備えられ、食べ物があって、友人や隣人までもでき、さらに健康も与えられているのですから、何と恵まれていることでしょうか。私の愛読書に、「・・・近くにいる隣人は、遠くにいる兄弟にまさる。」と読んだことがあります。もちろん、親兄弟のつながりは大切ですが、異国の隣人たちの親切は、やはり身にしみて感謝なものであります。同胞と隣人たちとの「新年会」に感謝して。亜熱帯で、雪の降らない福州では、冬の花である雪中花といわれる水仙は、どこにも見当たらないのが残念です。
 「初雪や 水仙の葉の たはむまで   芭蕉 」

(写真は、「マーガレット《みやこどりの部屋》」、「お雑煮《koik:af:e blog》」、「デコレーション・ケーキ《シェ・ヒロコ製》」、「水仙《みんなの花300》」です)

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自己紹介

 次男に勧められて始めた「ブログ」ですが、2007年7月から1年間休刊しました。その間、他の「ブログ」を開設したのですが、2008年7月に、名前を変えて再開しました。  父として子どもたちに、爺として孫たちに、また母や兄弟や友人たちにも、何かを語り残したいと願って、続けています。